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コーヒーをよりおいしく味わえるコーヒーの文学や芸術のお話。

コーヒーのおいしい時間
コーヒーから生まれた多彩な文化がコーヒーのおいしい時間へと誘う
アフリカの東の端で生まれたといわれる風変わりな嗜好飲料コーヒーが何故これほど広く世界中の人々に愛されるようになったのか… そのエキゾチックな香り、独特で魅惑的な風味は世界中の様々な文化とふれ合い、そこに次々と新たな文化とセンセーションを創り上げてきたからなのです。一杯のコーヒーの味わいには、そういった一つ一つの文化の『おいしさ』が閉じこめられているのです。
コーヒーが生み出した様々な文化とふれ合うこと…それはコーヒーのよりおいしい時間を提供してくれます。そのいくつかを紹介しましょう。

名曲とコーヒー

コーヒー畑/イヴ・モンタン
20世紀を代表する『世界の恋人』、今は亡きイヴ・モンタン…粋なパリっ子のイメージの強いモンタンは実はマルセイユの貧しい移民の家庭に育ちました。家計を助ける為に少年時代から肉体労働を続け、夜に場末の酒場で好きな歌を歌っていたモンタンの才能を発掘したのは、かのエディット・ピアフでした。歌手イヴ・モンタンの歌唱スタイルは、彼の生い立ちを体現するような労働者階級の人々の哀愁を歌い上げる朗唱です。『コーヒー畑』はまさに彼の歌唱スタイルを象徴する歌であると言えます。当時西インド諸島や南米に移住していった多くのフランス人労働者…その哀愁を朗々と歌い上げています。歌の中でモンタンはこう語りかけます…
『君の仕事とは全く違うが、君には言っておこう…コーヒー畑の仕事は華奢な奴には向かない本当に…辛い…辛いんだ…』

ブラック・コーヒー/ペギー・リー
日本にペギー・リーの歌声が轟いたのは戦後のジャズブームからのことです。その魅惑的なハスキーボイスは、当時ジャズ喫茶に入り浸っていた日本の若者たちをも瞬く間に魅了してしまったペギー・リー。アメリカの貧しいスカンジナビア移民の家に生まれたペギー・リーは幼少時代からジャズやブルースに目覚め、十代の頃からシカゴを中心に歌手活動を開始します。
ペギーの才能を見出したのはジャズ界の巨匠ベニー・グッドマンでした。以降、1940年代から50年代を通して歌手として、作曲家として、また女優として多くのヒットシーンを生み出してゆきます。『ブラック・コーヒー』は56年に発表されたアルバムで、ジャズシンガーとしての彼女の名盤の筆頭にあげられています。
『淋しさに一睡も出来ず部屋を歩き回っては、扉をみつめる…
 口にするのは…ブラック・コーヒーだけ…』

戦後復興から落ち着きを取り戻した日本の喫茶店…テーブルの上の一杯のコーヒーの味わいを見事に脚色した一曲でした。

コーヒーもう一杯/ボブ・ディラン
日本をはじめ、世界のアーティストたちに大きな影響を与えた天才ボブ・ディランの才能については、ここに記す必要はないでしょう。 そのディランの70年代の音楽活動を代表する名盤がアルバム『欲望』です。
『コーヒーもう一杯』はディランが南フランスで出会ったジプシーたちの姿を歌にしたものと言われています。エキゾチックな雰囲気のメロディーに乗せて、彼らの強く逞しく揺るぎない信条と哲学を描き出しています。
『君が示すのは、感謝でも愛でもなく…ただ星空の彼方への忠義だけ。さあ、出発の前にもう一杯コーヒー…
 もう一杯コーヒーを飲んだら街に降りてゆこう…』

街から隔絶された埃まみれの貧しい山間の集落から僅かな金を稼ぐ為、谷あいの街に繰り出す前に、誇り高く毅然とした立ち振る舞いでコーヒーを啜るジプシーたちの姿が目に見えるようです。

名作映画とコーヒー

素晴らしい日曜日/監督・黒澤明 主演・沼崎勲
映画界の巨匠・黒澤明の戦後三作目にあたるこの『素晴らしい日曜日』は終戦直後の市民生活を描いた秀作です。
当時、黒澤は時代を鋭く切り裂いてゆく社会派タッチの作風で有名でしたが、この作品は珍しくヒューマンコメディーの姿勢を貫いています。
誰もが貧しかった終戦直後、若いカップルの休日のデート…雨に降られ…意気消沈した二人は僅かな所持金でささやかな贅沢をしようとコーヒーを楽しみに喫茶店に入ります。しかし、予定外だったミルクのチャージ料が払えず止むなく一張羅のコートを店に渡してしまいます… 佇む夕暮れの焼け野原…主人公が突然語りかけます…「あんなのはコーヒーじゃねえ。ただの茶色いみずだあ!あんな店叩き潰す為にも、俺たちにゃ安くて美味しいコーヒーが飲める良心的な店を出す義務があるんだ!」…と、瓦礫の散らばる焼け跡の一角を喫茶店に見立て、コーヒーをサービスする真似をしだします。ようやく、二人の表情には笑顔が…巨匠が描いたコーヒーの風味は、復興という未来への象徴だった一編です。

好人好日/監督・渋谷実 主演・笠智衆
コーヒーをテーマとした日本映画と訊ねられたら、迷わずこの作品を挙げます。渋谷実は邦画黄金時代に戦後社会の価値転倒ぶりを独特の感性で知的にユーモラスに描き続けた名監督です。1961年に公開された『好人好日』では、同時期に急速に消費が広まったコーヒーが重要なファクターとして取り入れられています。主人公の数学者、地方大学教授は、数学とコーヒーにしか興味が持てない変人。ある日彼に文化勲章受勲決定の知らせが…長閑な街にはマスコミや様々な取り巻きが押しかけ、振り回される教授家族を中心に街はにわかに騒乱状態となってゆきます。主人公は我関せず…「おい!コーヒーをいれてくれ!コーヒー!」…かくして物語中主人公の手にはいつもコーヒーカップ握られ、その変人ぶりがことさら強調されてゆくのです。庶民の生活に普及しつつあった文化的飲料コーヒーの姿が全編に映し出される作品です。

愛と哀しみの果て/Out Of Africa/監督・シドニー・ポラック 主演・メリル・ストリープ

発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
価格:1,500円(税込)
コーヒーファンなら是非観て欲しいのがこの作品です。原作はデンマークを代表する女流作家アイザック・ディネーセンの『アフリカの日々』。ディネーセン自らの経験を回想録として描いた映画です。第一次世界大戦の時代を背景に、ケニヤ高原にコーヒー農園を開いた一人の貴族女性の愛と葛藤の日々を追う1985年発表の作品。翌年にはアカデミー賞7部門を獲得し、名匠シドニー・ポラック監督の代表作となりました。
この作品の大きな魅力は、農園の樹木に咲き誇る白いコーヒーの花々…赤い果実を摘み取る現地の人々の収穫の歌声…赤い実を流す木組みの水洗溝…蒸気機関を駆使した脱穀機…等々、当時のアフリカのコーヒー農園の姿を克明に描き出していることです。コーヒー生産を描いた貴重な一編と言えるでしょう。

絵画とコーヒー

夜のカフェテラス/ファン・ゴッホ
オランダの画家ファン・ゴッホがアトリエを陽光溢れる南仏アルルに移したのは1888年2月のことでした。以来ゴッホの作風には見違えるほど鮮やかな色彩が溢れ出し、『ひまわり』をはじめ多くの名作を生み出すこととなります。
ゴッホはアルルに移って以来、夜ごとカフェ・ド・ラ・ガールに通い周囲と芸術論を戦わせていたと言われています。 大きなガス灯に照らし出された『夜のカフェテラス』…青と黄色というゴッホが好んだ色彩のコントラストが見事に描き出されています。
ゴッホはこの地で親友ゴーギャンと決別し、心を病み、僅か2年半後には自らその短い人生を終わらせてしまうのです。ゴッホがアルルで描いたこの作品には、彼の才能の最後の輝きがほとばしっているようです。

コーヒー沸かし/ベルナール・ビュフェ
近年にわかに収集家の間で再び人気を集めているベルナール・ビュフェ…名前を知らない人でも、直線を基調とした独特の力強い作風を見れば誰もが思い当たる作家の一人です。この『コーヒー沸かし』は1955年のリトグラフ作品。繊細なフォルムの細口のコーヒーポットの存在感が力強く描かれています。ビュフェはコーヒーポットの繊細なフォルムが余程気に入ったとみえ、この作品を含めいくつかの作品を残しています。パリで不遇の少年時代を過ごしたビュフェは、若くして絵画の才能を高く評価され、その独特でシャープな作風から僅か20才で天才の名を欲しいままにします。以降、油彩、版画、リトグラフと多くの作品を生み出し続けますが、やがて単一的な作風がマンネリと見られ、次第にその評価も色あせてゆきます。晩年は病魔におかされ創作活動を断念し、1999年71才で自らの命を絶った後、世界は再びビュフェの独自の作風に注目を集め始めるのです。


小説とコーヒー

珈琲相場師/デイヴィッド・リス著

アラブ地域の嗜好飲料でしかなかったコーヒーが大航海時代を背景に初めてヨーロッパに伝えられた時代…ヨーロッパの人々にとってコーヒーがどれほどセンセーショナルな飲物だったのか…このミステリー小説は克明に伝えてくれます。エドガー賞作家でもある著者のデイヴィッド・リスはヨーロッパ金融史の研究者としての本領を発揮し、堅実な時代考証を基に物語を構築しています。 遠い第三世界から持ち込まれた酒でも茶でもない強烈な飲料、コーヒーが、異端の飲物として敬遠されながらも、人々を惹きつけてゆく過程、心情が見事に描き出されています。もちろん、ミステリー小説としての完成度も高く、楽しみながらコーヒー普及の歴史的な背景を体感できる貴重な一冊と言えます。

名探偵のコーヒーのいれ方/クレオ・コイル著

アメリカの人気ミステリー作家クレオ・コイルによるバリスタを主人公とした小説です。舞台はマンハッタンのヴィレッジ。ここ近年のイタリアン・カフェブーム発祥の地です。人気ミステリー作家だけあって、女性バリスタを中心としたストーリーの流れはさすがに手慣れていますが、実はこの小説のもう一人の主人公は『コーヒー』なのです。ストーリーの中には常にコーヒーのある風景がちりばめられ、登場人物のコーヒーへの想いがストーリーに深く関わっています。さらに、様々なスタイルのコーヒーやコーヒー器具、コーヒーのいれ方…など、レシピや情報が別頁で詳細に紹介されています。
ニューヨーク・ヴィレッジのカフェ…そこではどんなコーヒーがどんなスタイルで飲まれているのか…
確かなイメージを与えてくれる一冊です。


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